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フル同期を実行する前に確認したいチェックリスト

同期のコツトラブル対応

この記事の概要

数千行を一気に書き換えるフル同期は、便利だけど一度の事故が大きい操作です。実行前に確認したい項目をシート側・Shopify側に分けて、最後の「やる直前」のチェックまでリスト化しました。

在庫同期アプリには、シートの全行を一気にShopifyへ反映する「フル同期」と呼ばれる機能があります。差分同期に比べて確実で、何千行もまとめて処理できるので、移行直後の初期投入や、月初のリセットなど、ここぞの場面で頼りになる機能です。

けれど、便利さの裏返しとして、フル同期は「一度の事故が大きい操作」でもあります。間違った列を見て同期してしまった、安全在庫の式が壊れていた——そんな状態でフル同期を走らせると、何千行ものデータが一瞬で書き換わってしまいます。今回は、フル同期を実行する前に必ず確認したいチェックリストを、シート側・Shopify側・直前の最終確認に分けてご紹介します。

「フル同期」とは何か

まず、フル同期がどんな操作かを整理しておきましょう。多くの同期アプリでは、「差分同期」と「フル同期(全件同期)」の2モードを持っています。差分同期は、前回からの変更点だけをShopifyに反映する軽量な操作。一方フル同期は、シートの全行をShopifyに書き込みます。シートに「100」と書いてあれば、Shopifyの該当商品の在庫は問答無用で100に上書きされる、という挙動です。

この特性のために、フル同期は「シートが正しい状態」であることが大前提になります。シートに誤りがあれば、その誤りがそのままストアに反映されます。逆に言えば、シートさえ正しければ、フル同期は最強の整合性回復ツールです。だからこそ、実行前のチェックが非常に重要になります。

シート側のチェック

まずはGoogleシート側を念入りに確認します。ここを丁寧に見ておくと、本番事故のほとんどは防げます。

必須列の確認

同期に必要な列が、全て揃っていますか。代表的には、SKU(またはバーコード)、ロケーション、在庫数の3つ。アプリ側の設定で、どの列をどの項目に紐づけるかのマッピングを行いますが、フル同期前にはこのマッピング画面をもう一度見て、「予期せぬ列を指していないか」を確認しましょう。先月仕様変更したのを忘れて、古いマッピングのまま実行するのは典型的な事故パターンです。

空セルの扱い

在庫数の列に空セルがあると、アプリによっては「0として扱う」「スキップする」「エラーにする」と挙動が分かれます。フル同期で空セルを0として書き込んでしまうと、何百もの商品が突然在庫切れに見えてしまうことになります。実行前に、在庫数列の空セルをフィルタで抽出し、本当に0にしたいのか、それともデータが欠けているだけなのかを切り分けてください。

フォーマットの確認

意外と見落としがちなのが、データのフォーマットです。在庫数の列に文字列が混ざっていませんか(「在庫なし」「未定」など)。SKUの末尾にスペースが入っていませんか。数値列に「,」(カンマ区切り)が含まれていませんか。これらはどれも、同期エラーや誤った値の書き込みにつながります。Googleシートの「データの入力規則」を使えば、列ごとに許容するフォーマットを事前に縛ることもできるので、定期運用なら設定しておきましょう。

Shopify側のチェック

シート側だけでなく、書き込み先となるShopify側の状態も忘れず確認しましょう。

  • 対象ロケーションが有効になっているか(停止中のロケーションに書き込もうとしていないか)
  • 在庫追跡が有効になっている商品かどうか(追跡が無効だと、書き込んでも在庫数が反映されない)
  • 対象商品がアーカイブされていないか(アーカイブ済み商品は同期対象外になることが多い)
  • Shopifyのプランがフル同期で扱う商品数・ロケーション数に見合っているか
  • 他の在庫管理アプリが同時に動いていないか(複数アプリが書き込み競合を起こすと厄介)

とくに最後の点、「他のアプリとの競合」は要注意です。倉庫管理ソフトや、別の同期ツールがバックグラウンドで稼働していると、フル同期で書いた値を直後に上書きされてしまう、という現象が起きます。フル同期の前後数十分は、他の在庫書き込みを一時停止することをおすすめします。

実行直前にやること

シート側もShopify側もチェックが終わった。マッピングも合っている。さあフル同期を実行——その前に、最後にもう一手間だけかけましょう。

  1. 01シートの変更履歴を開き、「直近24時間で誰がどこを変更したか」を一覧で確認する
  2. 02重要な数行(売れ筋トップ10など)の在庫数を声に出して読み上げ、想定通りか確認する
  3. 03アプリの「接続テスト」「ドライラン」機能があれば必ず使い、実書き込み前の予測結果を見る
  4. 04実行する曜日と時間を選ぶ(注文が多い時間帯、メール対応で忙しい時間帯は避ける)
  5. 05実行後の確認方法をあらかじめ決めておく(どの画面のどの数字を見れば成功と判断できるか)

とくにドライラン機能は、用意されているなら必ず使ってください。「実際に書き込まないけれど、どんな結果になるかをシミュレートする」モードです。ここで何百件もエラーや想定外の変更が出るなら、本番実行は中止して、原因を潰してからもう一度。10分の確認時間が、数時間の復旧作業を防ぎます。

フル同期は、便利さと危うさが背中合わせの操作です。けれど、このチェックリストを毎回回すと決めておけば、危うさは大きく抑えられます。慣れて来るほど確認を省略したくなるものですが、慣れた頃が一番事故が起きやすい——それを忘れずに、毎回の実行前に、一呼吸置く習慣をつけてください。

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